中古住宅販売件数とは何か?中古住宅販売件数を分かりやすく解説
「中古住宅販売数」という言葉を目にしたことがあるという方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。中古住宅販売件数という名称から、そのまま「中古住宅が売れた件数を表したものだろう」と思われるでしょう。
では、実際に「中古住宅販売数」には具体的にどのような意味が含まれているのでしょうか?
中古住宅販売件数とは、米国内で販売された中古住宅の販売成立件数を月ごとに集計したものです。中古住宅販売件数で表される数値には、集合住宅における販売件数も含まれています。
この集計結果は、全米不動産協会(National Association of Realtors)によって、毎月25日に発表されています。
中古住宅販売件数の発表内容は「The Wall Street Journalオンライン」「全米不動産業者協会」といったサイトで確認することができます。そして、「全米」「北東部」「南部」「西部」「中西部」の地域別における「中古一戸建て住宅の販売件数」「販売価格」「在庫」が発表されるのです。
また、中古住宅販売件数は所有権(所有物を自由に使用・収益・処分する権利のこと)が移転した時点で集計するため、中古住宅販売成約指数や新築住宅販売件数といった契約段階で集計する指標よりも、1~2ヶ月ほどの時差が生まれるという特徴があります。(契約書締結ベースの新築住宅販売件数に対して、中古住宅販売件数には遅効性があるということ)
そういった中古住宅販売件数は、経済状況を数値化したという経済指標の1つでもあります。そのため、中古住宅販売件数のデータを活用することによって、経済状況を把握することができるひとつの指標ともなり得るのです。
さらに、アメリカの中古住宅販売件数は新築住宅販売件数に対して、数倍規模という大きなスケールとなっています。そのため、中古住宅販売件数は新築住宅販売数と同様に、経済状況における先行指標としても非常に注目が集まっているのです。
中古住宅販売件数のFXにおける影響度・チャートの値動き
米国における中古住宅の販売件数を表している中古販売件数は、FX(外国為替)において影響を与えることがあります。では、どうして中古住宅販売件数は為替市場に影響を与えるのでしょうか?
中古販売件数が為替市場に影響を与える理由は、世界最大の経済大国である米国においての中古住宅の市場規模が大きいからです。米国の中古住宅の市場規模は、新築住宅における市場規模をはるかに凌駕するほどのスケールだと言えます。そのため、中古住宅販売件数は新築住宅販売よりも為替市場や株式市場などのマーケットからの注目が高いと言えるでしょう。
さらに、中古住宅販売件数は新築住宅販売数と同じように景気動向に対する先行指標としても注目が集まっています。このように、FXトレーダーなどのマーケット関係者からの注目が多く集まっているため、FXにおける影響度が高いのです。
また、中古住宅住宅販売件数におけるFXの影響度について掘り下げると、住宅購入が経済に与える影響について関わりがあることに気がつきます。
まず住宅を購入することで、「波及効果」が生まれます。波及効果とは、住宅購入による他の産業への影響のことです。たとえば、住宅を買うと家具や家電といったものも併せて購入するということが挙げられるでしょう。
また、住宅購入によって「資産効果」が発生します。資産効果とは、住宅における価格が上昇し「消費」「投資」「雇用」などが活発化することです。資産効果によって、家賃収入が借入金の返済額を下回ることを指す「キャッシュアウト」が発生しやすくなります。
このような背景があり、中古販売件数はFXに影響を与えていくのです。
まとめ
中古住宅販売件数の推移によって、FXにおけるチャートの値動きなどに影響してくることがお分かりいただけたと思います。
FXに取り組む上では、経済指標の1つである中古住宅販売件数も確認していきたいところです。