世界中のFXトレーダーに最も多く使用されているプラットフォームと言えば、間違いなくMT4やMT5でしょう。
最近ではそんなMT4・MT5のスマホ用アプリもリリースされ、出先でも簡単にトレードを行ったりチャート分析ができたりする様になってきました。
そこで本記事では、スマホ版のMT4・MT5についてパソコン版との違いや、アプリ版の基本的な使い方、スマホ版でのMT4とMT5の違いなどについて解説していきます。
パソコン版とスマホ版の違い
自動売買ができるのはパソコン版だけ
パソコン版のMT4とMT5との大きな違いは、スマホ版が自動売買い対応していないということです。
そのため、自動売買が目的であればやはりパソコン用のMT4・MT5が必要になります。
あくまでスマホ版は「裁量でのトレードや簡易的なチャート分析をするためのもの」と認識しておきましょう。
インジケーターの追加はできない
スマホアプリ版はあくまで外出時用のものではありますが、標準で装備されているインジケーターもMT4・MT5共に30種類とかなり豊富な仕様になっています。
ただし、アプリ版はパソコン版と違い、カスタムインジケーターといって標準にないインジケーターの追加ができない仕様になっています。
また、時間足の表示に関してもパソコン版のMT5は2分足や3時間足なども標準装備となっていますが、スマホ版のMT5ではそれらを使うことはできません。
スマホ版ならログインしなくてもチャート分析ができる
パソコン版と違い、スマホ版であれば口座を開設しなくても無料でチャートをリアルタイムで確認することができます。
スマホ版の基本的な使い方
スマホ版のMT4・MT5について基本的な使い方を順番に確認してみましょう。
1.MT4・MT5をダウンロードする
MT4・MT5のスマホ版はiOSならApp Store、AndroidならGoogle Playからダウンロードすることができます。
2.ログインする
基本的にはログインをせずにチャートを見ることなどはできますが、自身が持っているポジションを確認したり、実際にオーダーするために口座を開設してログインすることが先決になります。
ログインする際は口座開設した際の「口座ID」「パスワード」「サーバー番号」の3つの情報が必要になります。
口座開設時に業者から届くメールに記載があるはずなのでそちらから正確な情報を確認しましょう。
3.注文画面に移動する方法
基本中の基本である注文をする画面に移動するには3つの方法があります。
気配値画面から
画面下のメニューから「気配値」を選択します。
気配値で表示される任意の通貨ペアを選択し、出てくる項目から「トレード」を選択します。
チャート画面から
画面下のメニューから「チャート」を選択します。
チャート画面にある「トレード」という項目を選択します。
トレード画面から
画面下のメニューから「トレード」を選択します。
画面右上に表示される「+」ボタンを選択します。
4.成行注文のやり方
注文画面へ移動できたら注文方法の基本中の基本である成行注文のやり方についてお伝えします。
通貨ペアを選択する
まずは画面上部の通貨ペアを選択して任意の通貨ペアに変更します。
成行注文を選択する
通貨ペアの下に出ている注文方法から「成行注文」を選びます。こちらはMT4やMT5のバージョンによって「即時実行」「ストリーミング注文」といったように同じニュアンスの違う表記になっていることがります。
ロット数を決める
注文方法が決まったらロット数を決めます。
ロット数は1.00と表記されている場合は10万通貨という意味合いになっていますのでポジションを間違って取りすぎないようロット数を決める時にはしっかり頭に入れておきましょう。
損切りと利確を設定する
ロット数の下に出ているのが損切りと利確の設定です。
ストップロスは損切りを表し、テイクプロフィットは利確を表しています。
それぞれ任意の数字で設定してあらかじめ損切りと利確ラインを決めますが、裁量で全て行いたいという場合はこちらは何も入力しなくても大丈夫です。
成行注文を実行する
ここまでできたら後は左側の「成行売り」か右側の「成行買い」を選択すると成行注文が実行されます。
5.決済注文のやり方
持っているポジションを決済するときは画面下のメニューから「トレード」を選択し、持っているポジションの中から決済したい任意の通貨ペアを長押しします。
そして表示される項目から「クローズ」を選ぶことで決済注文が実行されます。
6.指値注文のやり方
あらかじめ決まった値になった時に注文する指値や逆指値注文をする際は以下の手順で実行します。
- 画面下のメニューから気配値画面を表示します。
- 注文をしたい希望の通貨ペアを長押しして出た項目から「トレード」を選択します。
- その後注文画面に移行するので画面上部の「ストリーミング注文」を選択します。
- 注文タイプの一覧が出るのでその中から指値や逆指値の任意の注文タイプを選択します。
7.特定の通貨ペアを表示させたい場合
取引がしたいのに気配値画面に表示されていない通貨ペアを表示させるには以下の手順が必要になります。
- 気配値の画面の右上の「+」マークを選択して「シンボル追加」画面になったら検索スペースに任意の通貨ペアを入力して検索します。
- 任意の通貨ペアが表示されたら通貨ペアと一緒に表示される「+」マークを選択すると気配値に追加した通貨ペアが表示されるようになります。
スマホ版のMT5はMT4より機能性が高い
実は提供元であるメタクウォーツ社ではパソコン版のMT4はダウンロードができない様になっており、進化版という立ち位置のMT5を普及しようとしています。
そのためかスマホ版でもやはりMT5の方がアップデートされていてMT4よりできることも多くなっています。
スマホ版のMT5でのみできることを以下でご紹介します。
チャートから通貨ペアを切り替えることができる
スマホ版のMT4では通貨ペアを切り替えるときは必ず気配値画面に戻ってからやる必要があるのでいちいちちょっと面倒なのですが、MT5では通貨ペアを切り替える時にチャートからそのまま切り替えることができます。
- チャート画面左上に表示されている通貨ペアを選択する
- 表示される通貨ペアから任意の通貨ペアを選択する
ティックボリュームを見ることができる
スマホ版MT5ではスマホ版MT4にはないティックボリュームを見る機能があります。
ティックボリュームというのは価格が変動した回数の大小を棒グラフで表示する機能のことで、取引の頻度や相場の勢いを判断するために使うものです。
- 画面下のメニューから「設定」を選択
- 設定画面内にある項目から「チャート」を選択
- 項目内の「ティックボリューム」のボタンをオンにする
板情報を見ることができる
板情報では通貨ペアごとにリアルタイムの現状価格の前後にどのくらい注文が入っているかを見ることができます。
板情報が見ることができることでどの価格に他のトレーダーが注目してるかなどが分かるようになります。
- 画面下のメニューから「気配値」を選択します。
- 任意の通貨ペアを長押しして「板情報」を選択します。
ワンタップ注文ができる
MT5ではチャート画面からすぐにそのまま注文を出すことができます。
- チャート画面右上にあるマーク(赤と青のマーク)を選択することでワンタップ注文画面に切り替わります。
- 真ん中にあるロット数を任意の数字に変更していれば後は表皮されている右の買いボタンか左の売りボタンを押すと注文が実施されます。
ストップリミット注文ができる
ストップリミット注文とは買いと売りの2パターンありますが、指定した価格を上回った(下回った)際に買い(売り)の指値注文を同時に仕掛けておくことができる注文方法です。
- 通貨ペアを選択する
注文画面上部の通貨ペアを選択して任意の通貨ペアに変更します。 - ストップリミット注文を選択する
通貨ペアの下に出ている注文方法から「Buy Stop Limit」か「sell Stop Limit」を選びます。
まとめ
ここまでスマホ版のMT4・MT5についてパソコン版との違いや、そして基本的な使い方、スマホ版でのMT4とMT5の差異などについてお伝えしてきました。
今回お伝えした様に現状ではパソコンでできないこともありますが、出先でチャートの確認をしたり新規注文から決済まで行う上で困ることは基本的にないかと思います。
また、近年はスマートフォンが高機能になっていることで段々とパソコンに性能が近付いています。いずれはパソコンと全く同じようなチャート分析などがスマートフォンでもできるようになるでしょう。