世界的に使用されている人気のチャートソフトのMT4・MT5では、自動売買を行うことができます。
自動売買には、裁量トレードだけをしている方にとってもメリットがあったり、裁量トレードと自動売買を組み合わせるメリットがあったりします。
そこで今回は、MT4やMT5で自動売買を使うメリットや実際の使い方などについて細かく説明させていただきます。自動売買に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
自動売買のメリット
自動売買はトレードをするにあたってメインの手法として考えることもできますし、裁量トレードをする上でのリスク分散としても使用することができます。
自動売買という名の通り、自動でポジション取りから決済まで行ってくれますので、日中は忙しくてチャートを見ることができないサラリーマンの方や、深夜でチャートが見れない場合などにも24時間常にチャンスを狙うことができます。
また、自動売買は裁量トレードにはないメリットもあります。
裁量トレードで厄介なところは、どうしても感情が入ってしまう危険性があるということです。
トレーダーの中には、一旦ポジションを保ったからには利益が出ないと決済できないと思って、本来なら損切りできるところでも「きっと反転するはず!」と待ってしまうことで更なる損失につながってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
一方、自動売買であればただ淡々と決められたルールに従ってトレードを行うので、感情が入って損失が膨らむリスクはなく、利確と損切りを機械的に繰り返してくれます。
EAはどこで入手するのか?
MT4やMT5で自動売買をする場合はEA(エキスパートアドバイザー)というプログラムを使用します。
まず、MT4とMT5それぞれで使うEAのプログラムが違うということに気をつけましょう。
MT4の場合はMQL4、MT5の場合はMQL5というプログラム言語を使ったコードを使うので、それぞれの言語で書かれたコードでないと動作しないのです。
EAは下記の3つの方法で入手することができます。
ライブラリやマーケットから入手する
ツールボックスのライブラリから検索を行えば、メタクウォーツ社のサイトであるMQL5.comからEAをインストールすることができます。
また、MQL5.com内にあるプログラムマーケットからも有料や無料のEAを探してインストールすることができます。
ウェブサイトから入手する
EAはインターネット検索をすると個人のサイトなどで有料、または無料のEAが紹介されています。
こちらでダウンロードしたEAを使っての自動売買ももちろん可能です。
自分で作る
メタエディタというツールを使えばプログラミングを行ってEAを作ることができます。
EAに使われているプログラム言語は比較的簡単と言われていますので、テクニカル分析に自信があるようであれば自身でEAを作ってトレードで利益を生むこともできれば、EA自体を販売して利益にすることもできるでしょう。
EAをインストールして自動売買をスタートさせるやり方
EAのプログラムはMT4とMT5で違うことをお伝えしましたが、MT4とMT5で仕様も若干違うので、それぞれの内容でインストールと自動売買に実際にスタートさせるやり方についてご紹介します。
MT4の場合
1.インストールについて
ライブラリから入手した場合
ダウンロードすればそのままインストールされます。
ウェブサイトから入手した場合
ダウンロードしただけではインストールされないので、自身でインストールする操作が必要になります。
MT4のメニューから「ファイル」を開き、項目から「データフォルダを開く」を選択します。
フォルダの中から「MQL4」を選択、そして「Experts」フォルダの中にダウンロードしたEAの「.ex4」ファイルを入れます。
「ナビゲーター」画面から「エキスパートアドバイザ」の項目を右クリックして項目から「更新」を選択します。
そうすると「ナビゲーター」の項目にEAが出現します。
2.自動売買のスタートの仕方
「ナビゲーター」画面に表示される任意のEAを選択して任意のチャートにドラッグ&ドロップをするとEAの設定画面が表示されます。
「全般」を選択して項目の中から「自動売買を許可する」にチェックを入れましょう。
パラメーターなどを設定する場合は「パラメーターの入力」を選択しロット数などを入力しましょう。
入力が終わったら「OK」を押すとEAに関する設定は終了です。
実際にEAを稼働させて自動売買を行う際はツールバーにある「自動売買」ボタンをクリックするとで自動売買のオンオフを切り替えることができます。
マークが緑色の再生マークになっていれば自動売買はオンになっているので、チャート右上にある顔マークが笑顔になっていれば正常に動作していることを意味します。
オフの時は「自動売買」ボタンは赤色の停止マークになります。
MT5の場合
1.インストールについて
ライブラリから入手した場合
ダウンロードすればそのままインストールされます。
ウェブサイトから入手した場合
ダウンロードしただけではインストールされないので、自身でインストールする操作が必要になります。
MT5のメニューから「ファイル」を選択し、項目の中から「データフォルダを開く」を選択します。
その後「MQL5」フォルダ内にある「Experts」を選択し「Advisors」フォルダの中にダウンロードしたEAの「.ex5」ファイルを保存します。
そうするとMT5再起動後にEAがインストールされています。
2.自動売買のスタートの仕方
EAを使うときはまずメニューバーにある「自動売買」という部分を選択してオンにしておく必要があります。(緑色の再生マークがつけばOK)
「自動売買」をオンにしたらEAを使って自動売買をしたい通貨ペアのチャートを用意して通貨ペアや時間設定を行います。
インストールされたEAは「ナビゲータ」の中に表示されます。
稼働させたいEAをダブルクリック、もしくはチャート上にドラッグ&ドロップすると設定画面になるので、「共有」を選択し、「自動トレーディングを許可する」にチェックを入れましょう。
次に「インプット」を選択してパラメータなど任意の設定を行ったら「OK」をクリックすると自動売買がスタートされます。
EAがちゃんと動いているのかどうかを確認する時はチャートの右上にあるアイコンを確認しましょう。
赤色停止マーク ⇒ 稼働していない
自動売買を停止する方法
自動売買を停止する際は以下のどちらかの方法で停止させます。
- メニューから停止する
- チャートを閉じる
1.メニューから停止する
メニュー上部の「自動売買」が緑色の再生マークになっている状態でクリックをすると赤色の停止マークに変化します。
これで自動売買が停止された状態になります。
2.チャートを閉じる
自動売買を稼働させているチャートを×ボタンで閉じることで自動売買も停止させることができます。
注意していただきたいのは、自動売買を停止した際に持っているポジションは自動的には決済されないということです。
もし決済注文が入っていなければそのポジションを持ち続けることになってしまうので、うっかり忘れてしまうといったことのないように気を付けましょう。
自動売買のためにはVPSを使うべき
自動売買を行う際は環境整備も必要になります。
本格的に自動売買を行うのであればVPS(バーチャル・プライベート・サーバー)システムを利用した方が良いでしょう。
自宅のパソコンで運用する場合は以下の2つのリスクが考えられます。
パソコンが壊れてしまうかもしれない
自動売買はMT4やMT5を常に稼働させている環境でないと、注文のやりとりを行うことができません。
そのため、パソコンで自動売買を行いたいのであれば24時間常にパソコンを稼働させておく必要があります。
そうなると、パソコンに熱は溜まりやすくなりますし、負担が増えますので故障するリスクが高くなります。
また、コンセントが抜けていたり、パソコンの電源が落ちてしまっていたりすると、結局自動売買に関する注文はできなくなってしまいます。
通信が途切れてしまうかもしれない
パソコン環境で自動売買を行う場合は、何かしらの影響で通信が途切れてしまう可能性があります。
そうなった場合に自動売買は配信されるレートに対して忠実に売買の判断を行うので、不具合が出てしまう可能性があります。
上記のような内容に対してVPSを使えばそういったリスクを回避することができます。
VPSシステムは業者が運営しているサーバーの一部のスペースをレンタルして、MT4やMT5をそのスペースで稼働させて取引を行うことができます。
レンタルするにあたって月額での費用は発生することになりますが、24時間パソコンをフル稼働させて電気代が増えることや、負担をかけてパソコンを壊してしまうかもしれないリスクを考えるとその方が安いという判断になると思います。
まとめ
ここまでMT4・MT5で行える自動売買についての特徴ややり方などについてお伝えしてきました。
自動売買をすることで24時間チャンスを逃さずに狙うことができる点や、裁量トレードと組み合わせることによってリスクが分散できることを考えると自動売買を採用する価値は十分にあると思います。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。