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国内FX業者と海外FX業者の比較
これから初めてMT4を使ってみようと思っている方の中には、国内FXと海外FXのどちらでMT4を使うべきか悩んでいる方もいると思います。
そういった方のために、この記事では国内FXと海外FXの比較をしつつ、MT4を使うのはどちらが適しているのかを検証していきたいと思います。
海外FXと国内FXのレバレッジの違い
レバレッジとは、直訳すると「テコの原理」ですが、FXにおいては元々の資金よりも大きな金額で取引できる仕組みです。
レバレッジが25倍ということは、例えば1万円の資金で最大25万円分まで取引できるようになるということです。
なお、日本国内で登録しているFX業者には最大レバレッジが25倍という制限が設けられています。
これが海外FX(あくまでも日本で登録をしていない場合)になるとその制限がないので、400倍という業者もあれば、1,000倍という超ハイレバレッジを提供している業者もいます。
それだけ見ると、レバレッジが大きければ大きいほど、少ない資金で大きな金額の取引が出来るので、海外FXの方が魅力的に見えます。
ただし、レバレッジが大きい場合、相場が予定通りに進めば利益を上げるチャンスにもなりますが、大きく予想が外れた場合はマイナスも大きいと言えます。つまり、高レバレッジとはハイリスク・ハイリターンのトレードをするという認識が必要です。
海外FXと国内FXにかかる税金の違い
税金についても、海外FXと国内FXでは税率の仕組みがそもそも違います。
結論から言うと、利益が195万円以下であれば国内FXより海外FXが低コストになります。逆に195万円以上になると国内FXのほうが税率は低くなります。なぜならば、国内FXは税金は一律で「20.315%」ですが、海外FXは所得金額によって変動するからです。
具体的には、195万円以下の場合、海外FXは税率が15%(所得税5%+住民税10%)ですので、ここまでは海外FXのほうが低率です。しかし、195万円以上〜330万円以下になると税率は20%、330万円以上になると30%とどんどん上がっていきます。
もし、FXで3,000万円の利益を上げた場合、国内FXだと税金で差し引かれる金額は約600万円ですが、海外FXでは1,500万円が税金で差し引かれます。(海外FXの場合、1,800万円〜4,000万円以下は税率が50%)
海外FXはハイレバレッジにより相場の動きによってはハイリターンを得ることが出来ることもありますが、その場合は税率が上がってしまうため、大きく利益を出したい場合は、国内FXのほうが税金の点では有利です。
海外FXと国内FXのスプレッドコストの具体的な差額とは?
スプレッドとは、通貨の売値と買値の差です。
よくニュースなどで「外国為替市場は1ドル103円60銭〜63銭の間で取引されています」という表現がされていますが、これは1ドルの買値が103円63銭で売値が103円60銭という意味です。
この為替レートの変化を利用しながら売買をするのがFXですが、この売値(BID)と買値(ASK)の差」をスプレッドといいます。このスプレッドが狭いほうが低コストであり、利益を上げるためには重要視されます。
海外FX業者の場合、このスプレッドが1.5銭〜1.7銭が平均値なのに対して、国内FXは大体0.2銭〜0.3銭くらいのところがほとんどです。0.2銭と1.5銭なので、1回の取引での差は1.3銭です。そこまでの差は無いように思いますが、取引の回数を重ねるごとにその差はかなり大きくなります。
具体的な金額を試算すると、1回の取引で1.3銭の差額があった場合、1ヶ月で200回取引するトレーダーの場合、1.3銭×200回=260銭のスプレッドコストを払っている結果になります。
つまり、海外FXでトレードするということは常に国内FXよりも-260銭の差があると言うことを前提に考えなくてはいけません。
海外FX独自の「ゼロカット制度」
ゼロカットシステムとは、相場が急変して強制ロスカットが正常に動かない場合、マイナスになってしまった残高をゼロにリセットしてくれる制度で、海外FX特有の制度です。海外FXを選択するトレーダーは、このゼロカット制度を大きな魅力と考えている方も多いはずです。
2000年以降でゼロカットが実際に発生した事例としては、
- 2009年 東日本大震災
- 2015年 スイスフランショック
- 2015年 チャイナショック
- 2016年 南アフリカランド急落
- 2019年 2019年初フラッシュクラッシュ
などが挙げられます。これを多いと見るか、少ないと見るかは人によって変わると思いますが、国内FXで安定して利益を出しているトレーダーは、普段から資金管理やリスク管理を十分に行っているのです。
また、ゼロカットは裏を返すとトレーダーに発生した負債をFX業者が肩代わりするという仕組みなので、結果そのFX業者が破綻してしまうというリスクもあります。いずれにしても「ゼロカットがあるから安心」ではないのです。
MT4に対応している国内FX業者
MT4(metaTrader4)とは、ロシアのメタクウォーツという会社が開発したツールで、世界中の多くのトレーダーに愛用されています。
MT4の人気の秘密は、豊富なチャート機能に加え、カスタマイズ性の高さにあります。また、世界中のトレーダーが開発・提供されているものを、インターネットを介して自由に入手することも出来ますし、上級者などは、自作して更に自分に合ったツールとして使用している方もいます。
また、EAと呼ばれる自動売買プログラムを組み込んで稼働させれば、組み込まれたプログラム通りに自動で取引してくれるため、兼業トレーダーなどに大変重宝されています。
このツールですが、海外FXの業者であれば、ほとんどが標準で使用可能ですが、国内FX業者については使用可能な業者は限られています。以下では国内FXでMT4が使える業者から人気の3社を紹介します。
楽天証券
誰もが知っている大手ネット証券会社が提供するFXです。
大手のネット証券会社ですので、そもそもの信頼性などが高いことと、取引に応じて「楽天スーパーポイント」が貯まるなど、他社と違った魅力がある証券会社と言えます。
大手の証券会社として唯一MT4に対応している点も特徴的ですが、MT4が使える「楽天MT4口座」とMT4が使えない「楽天FX口座」に分かれており、MT4口座は楽天FX口座と比較して多少スペックが落ちるので注意が必要です。
ONDA JAPAN
この会社の特徴は、安定した約定力、機能性の高い取引ツール、取扱通貨ペア数が優れている点です。
日本の他にもイギリス、シンガポール、インド、オーストラリアにも支社があり、世界規模の大手FX会社です。世界中で利用者がいるONDAですので、機能が多彩でいろいろな選択肢があることが強みです。
ただし、サーバーの選択や分析機能もやや中級者以上向けになっているため、初心者の方には多少不向きかもしれません。
FXTF(ゴールデンウェイジャパン)
初心者から上級トレーダーにまで幅広く選ばれている会社です。
特徴としては、
- 1,000通貨単位からの少額取引が可能
- MT4がWindowsにもMacにも対応している
- 無料オンラインセミナーやキャンペーンが豊富で情報量が多い
という点が挙げられます。特にMT4については、従来の「インストール型MT4」と「ウェブトレーダー型MT4」が用意されており、ツールの稼働環境や対応OSが幅広いのが特徴です。
まとめ
- 海外FXであれば、MT4が使える会社が多く国内FXは限られている
- 海外FXはハイレバレッジなどでハイリスク・ハイリターンな取引が魅力
- 国内FXはレバレッジに制限があるが、税率やスプレッドなどは海外より低コスト
- 国内FXでMT4を使える業者は少ないので、それぞれの特徴で選ぶのが吉