FXの税金を知って節税しよう

レバレッジなどを活かして大きな利益を狙うことができるFX。稼げる点は確かに魅力的ですが、気になってくるのは税金ですよね。

実は、FX取引で利益を出した場合も、納税の義務があります。しかし、この税額については、誰でもできるような基本的な点を抑えるだけで、節税できることがあるのです。

そこで今回は、FX取引にかかる税金がどのようなものなのか、そしてその節税方法について紹介します。FXの税金について詳しく知りたい方、税負担をできるだけ軽減したい方は是非参考にしてみてくださいね!

FXにかかるのはどんな税金?

税制の特徴

FXの利益については、取引所FXでも店頭FXでも申告分離課税となります。

しかし、株式の特定口座のように源泉徴収制度がないため、利益が出た場合は原則として確定申告が必要となります。

FXの利益とは、為替差益(売買時の為替の違いにより得られる利益)とスワップポイント(売買時した通貨の金利差により得られる利益)を指します。

また、FXの利益は雑所得となり、税率は20%(所得税15%+住民税5%)で、利益額の大きさに関わらず一定となります。「申告分離課税制度」なので、給与所得などと合算せずにFXの損益だけで課税額を算出することができるのです。

さらに、店頭取引や取引所先物取引などの金融商品と損益通算ができる場合があります。

そして、損失が出た場合は最大3年間の繰越控除を受けることができます。ただしその場合は、損失を出した年を含めて毎年確定申告をする必要があります。

課税対象はどんな人?

FXでいくら以上の利益を出したら課税対象となるのでしょうか?

FXの利益は雑所得に分類されます。そしてそれは、給与所得があるかどうかで変わってきます。

給与所得がある ・・・FXの年間所得が20万円以上
給与所得がない ・・・FXの年間所得が38万円以上

では、立場別に詳しく見てみましょう。

会社員

当然のことながら、会社員の方には給与所得があります。この場合、FXの利益が20万円以下であれば確定申告は不要です。

なお、20万円以下であれば税金が生じることはないので、FXをやっていることを勤務先の会社に知られることもありません。もし、20万円を超える場合は、配偶者と利益を分けるなどして、このラインを超えないように調整することも可能です。

個人事業主

個人事業主の場合、給与所得はないので、38万円を超えた場合に確定申告が必要となります。

ただし、個人で事業を行う場合は、たとえFXの利益が38万円以下であっても基本的に確定申告をすることになり、これを行わないと所得証明が発行されません。そのため、個人事業主であれば、FXの利益額に関わらず確定申告を行うのがいいでしょう。

主婦

専業主婦であれば、配偶者の扶養に入ってる場合がほとんどと思います。この場合、所得が年間38万円を超えると配偶者控除が適用されなくなります。この点に注意したほうがいいでしょう。

パートで働いている主婦の方だと給与所得があるので、20万円以上の利益で課税対象となります。

学生

学生の場合、アルバイトをしていると給与所得があるので、20万円以上の利益で課税対象となります。アルバイトなどの給与所得がない場合は、38万円以上です。

年金受給者

年金受給者の場合は、FXの利益が20万円位上であれば確定申告の必要があります。それ以下であれば不要です。

節税法① 経費を計上

経費に計上できるのはコレだ

最も効果的に節税をする方法は、経費の計上によって利益を下げることです。

FX取引ではそれほど多くの経費を伴うことはありませんが、それでも経費に計上できるものはあります。これらを見逃さずに計上していきましょう。

経費計上の条件は「FXのために利用したもの」

経費として認められるための条件となるのは、「FXという事業に利用したもの」であることです。

例えば、会食費用について、FX経験の長い人と「FXの勉強会」という目的で会食であるなど、「FXで利益を上げるため」の会食である必要があります。

なお、スプレッドは経費としては認められませんので、ご注意ください。

経費として認められるためのポイント

領収書やレシートはきちんと保管

FXの経費として計上するためには、確定申告の際に領収書やレシートが必要になるので、きちんと保管しておきましょう。電車などの交通費で領収書が出ない場合は、自分で明細を作っても構いません。例えば「名古屋駅から東京駅まで13000円」というふうに、きちんと記録しておきましょう。

「FXのため」であることをしっかり記録

ここでとても重要になるのが、これらが「FXのための経費であること」を記録しておくことです。例えば、勉強会のレジュメやメモ、セミナーの案内状、当日のスケジュールなどです。このような記録がない場合は、税務署に経費として認めてもらえない場合があります。

「このセミナーはFXとは関係ないので経費として認められません」というのは調査官の常套句。こう言われた時でもしっかりと説明できるように、セミナーとFXとの関連性を記録し、また資料を残しておく必要があるのです。

節税法② 夫婦で利益調整

夫婦で口座を分けて取引し、利益を分散させることで税金を減らすこともできます。

例えば、給与所得がある人がFXで年間30万円の利益を出した場合、1人の口座でFX取引をしていたときは、20万円のラインを超えることになるので課税対象となります。

しかし、自分の口座で15万円、配偶者の口座で15万円の利益をそれぞれ出した場合は、どちらの口座も課税対象とはならず、節税が可能です。

勤務先の会社にFXをしていることが知られたくない場合にも、この方法が有効です。

FX業者選びが税金に影響することも

FX業者によってスワップポイントが入金されるタイミングが異なるため、税金面でも影響を受ける場合があります。

スワップポイントのタイミングは3種類あります。それぞれの特徴を見てみましょう。

決済時に入金

一番分かりやすいパターンです。決済しない限り課税の心配はありません。

その代わり、数年単位でポジションを保有した時は決済時に一気に課税されることになるので、ご注意ください。

基本的に決済時に入金。しかし任意で決済前の入金も可

中間タイプです。

未決済時にスワップポイントを受け取った場合は、その分だけ課税対象となります。

決済しなくても毎日入金

スワップポイントが毎日入金されます。

利益の分散という点では有効でしょう。しかも、毎日口座に反映されるので、利益を一番実感しやすいですね。

まとめ

以上のように、FXでの税金対策と節税方法を見てきました。

注意しなければならないのは、FXで利益を出した場合、納税は義務であることです。これを脱税してしまうと、経済的なペナルティが課されることに加え、場合によっては懲役刑を課されてしまうこともあります。ですから、利益を出した場合はきちんと納税するようにしましょう。

脱税は違法ですが、節税は合法です。今回紹介した節税方法を駆使してみてください。