FXにおいて、移動平均線は様々なインジケータの基本になっています。
そのため、移動平均線をMT4やMT5に表示させることは必須スキルと言っても過言ではありません。
そこで本記事では、移動平均線をMT4やMT5に表示させる方法や、移動平均線の特徴を活かした取引方法について詳しく解説していきます。
移動平均線が設定できるようになれば他のインジケータの設定に応用できる面も多いので、MT4やMT5をまだ使い始めたばかりの方などはぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
目次
移動平均線とは?
移動平均線とは一定期間の終値の平均値を基に算出された点を線で繋いだもので、 初心者の方から中級者はもちろん、上級者の方まで利用される代表的なインジケータです。
移動平均線はFXの中でも基本中の基本となるインジケータなので、移動平均線ありきのインジケータはたくさんあります。
移動平均線の種類について
移動平均線は全部で4種類あります。
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数移動平均線(EMA)
- 平滑移動平均線(SMMA)
- 線形加重移動平均線(LWMA)
種類選択はできるものの、基本的には単純移動平均線(SMA)と指数移動平均線(EMA)の2種類しか使うことはありません。
単純移動平均線(SMA)と指数移動平均線(EMA)の違いについて
簡単に言えば、SMAより直近の動きを反映しているのがEMAです。
EMAは現在の値に近い平均値を算出する計算方法になっているので、直近の値動きに強く反応するようになっています。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線であるSMAは単純という言葉の通り過去の一定期間における終値の平均値から算出される単純な計算式になっています。
例えば、日足で24の期間で設定されていた場合は過去24日分の終値の平均値がチャートに表示されるようになります。
デメリット ⇒ 直近の値動きによる平均線の反応は遅い
指数移動平均線(EMA)
EMAは過去の一定期間における終値の平均値に平準化定数をかけて算出される計算方法になっているので、直近の値動きに強く反応するようになっています。
デメリット ⇒ 大きな為替変動や横ばいの相場の時はダマシが多い
世界では一番多く使われているのがEMAで、日本国内ではSMAが一番人気があります。
EMAのメリットとしては直近の値動きに早く反応しますので、数分から1時間程度を軸にしたスキャルピングトレードなどを行う場合はEMAを使うことで売買タイミングを逃すことが少なくなります。
期間について
移動平均線の期間の数字はローソク足の本数を意味するものになります。
数値は細かく設定することができるので何を選ぶべきか難しいところですが、まずはおおよその数値を基に短期、中期、長期のどの期間を選択するかを決めます。
その上で、少しずつ自分のトレードスタイルに合わせて数字を調整していくと良いですね。
移動平均線のおおよその期間
期間 | 数値 |
短期移動平均線 | 5~25 |
中期移動平均線 | 25~50 |
長期移動平均線 | 50~200 |
ローソク足によって移動平均線の期間が変わる際のイメージ
例)24で設定した場合の移動平均線の期間について
月足 | 24ヶ月 |
週足 | 24週 |
日足 | 24日 |
4時間足 | 96時間 |
1時間足 | 24時間 |
15分足 | 6時間 |
1分足 | 24分 |
MT4・MT5における移動平均線の表示の仕方
移動平均線がどういったものかはご理解いただけたかと思いますので、次はMT4やMT5で移動平均線を表示できるようにしてみましょう。
実際MT4やMT5で移動平均線を表示するのは非常に簡単です。
下記手順を読んでやってみましょう。
- MT4・MT5を開く
- 【ナビゲーター】から【Moving-Average】を選び、チャートの画面にドラッグ&ドロップ
もし、メニューバーに【ナビゲーター】の項目が見つからない場合は、画面左上にある【表示】から【ナビゲーター】を選択すれば表示されるようになります。
表示までの手順はこれだけなので、ものの数分で移動平均線を表示できるようになるでしょう。
移動平均線を利用した取引方法について
大きく分けて4つの取引方法があります。
- トレンド判断として利用
- 抵抗線と支持線として利用
- 複数の移動平均線の交差を利用
- グランビルの法則を利用
1.トレンド判断として利用
移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドと判断することができます。
基本的に移動平均線よりローソク足が上にある場合は過去の平均値より高く相場が推移していることを指すので上昇トレンドだと判断できます。
逆に移動平均線よりローソク足が下にある場合は過去の平均値より低く相場が推移していることを指しますので下降トレンドだと判断します。
どちらとも言えない状態で移動平均線と現在の価格がほとんど同じ状態で推移する場合はレンジ相場だと判断できます。
また、移動平均線を使う際は一般的に3つの期間の移動平均線を同時に表示して使うことが多いものになります。
短期、中期、長期の3つの平均線の全てが同じ向きに傾いた状態をパーフェクトオーダーと言います。
パーフェクトオーダーが発生した場合はその方向へ相場が動くこと可能性が濃厚になるので売り買いの判断ポイントになります。
2.抵抗線と支持線として利用
移動平均線は、抵抗線や支持線としての役割も持ちます。
例えば、価格が移動平均線を上に抜けたら上昇トレンドとみなした買いでポジションを持ち、逆に価格が下に抜けたら売りでポジションを持ちます。
また、移動平均線で反発するように価格が動いた場合は逆張りするというような判断ができます。
3.複数の移動平均線の交差を利用
複数の移動平均線を活用して売買のタイミングを判断することができます。
短期の移動平均線が中長期の移動平均線を上抜けた時をゴールデンクロスと言います。
これは上昇トレンドが始まる可能性が高いことを意味するので買いのサインになります。
逆に短期の移動平均線が中長期移動線が下抜けた時はデッドクロスと言います。
これが下降トレンドが始まる可能性が高いことを意味するため売りのサインになります。
4.グランビルの法則を利用
グランビルの法則とは1960年代にジョゼフ・E・グランビルという方が考案したテクニカル分析の法則です。
グランビルの法則には買いで4つ、売りで4つの合わせて8つの売り買いに関する判断ポイントがあります。
- 移動平均線が上向き上昇して価格が下から上へ突き抜ける時
- 価格が移動平均線を下回っても移動平均線が上向いて上昇している時
- 価格が移動平均線より上にあり、上昇中の移動平均線に価格が近づいたものの下回らずに価格が上昇した時
- 下向きの移動平均線に対して価格が大きく乖離して下落した時
- 移動平均線が下向き下落して価格が上から下へ突き抜ける時
- 価格が移動平均線を上回っても移動平均線が下向いて下落している時
- 価格が移動平均線より下にあり、下落中の移動平均線に価格が近づいたものの上回らずに価格が下落した時
- 上向きの移動平均線に対して価格が大きく乖離して上昇した時
移動平均線はダマシも多い
移動平均線を使った取引ではダマシも多いという弱点があります。
ここまでお伝えしてきた移動平均線の取引方法は当てはまる形になっていても価格が思った方向と反対に伸びてしまいダマシにあってしまうことがあります。
一般的に移動平均線を使っているトレーダーが多いので、機関投資家などが一般の個人投資家の移動平均線を基準にした損切りポイントを狙って市場からお金を一気に取ろうとすることが原因とされています。
ダマシを回避するために移動平均線だけでなく、別のインジケータなどを組み合わせて使うようにしましょう。
まとめ
ここまでFXの中でも基本的なインジケータである移動平均線について特徴や活かした取引方法、そしてMT4やMT5へ表示させるやり方などについてお伝えしてきました。
移動平均線は単純ではありますが、最も多く使われているインジケータなので売買指標に対する信頼性が非常に高いものになっています。
ですが、種類や期間によって線は全て変わってきますので、簡単なテクニカル指標でありながら使い方に練習が必要なインジケータでもあります。
そのため、デモトレードなどで練習しながら自分に合った移動平均線の使い方を見つけていくと良いでしょう。